はんなり便り

3度の飯より

今月の一言

あけましておめでとうございます。
ウマくいくこと、ウマくいかないこと、色々あると思いますが、
ウマく自分の機嫌をとりながら、
また1年、駆け抜けたいと思います。よろしくお願いします。

2026.01.5
今さら【キングダム】

SNS上でいっとき流行った「大沢たかお祭り」。

これに影響されて少し前から【キングダム】(アニメの方)を見始めました。
中国の歴史を題材にした物語では、
「三国志演義」や「水滸伝」はずっと好きですが、
かの国の戦国時代となると、学校で教わった「斉楚秦燕韓魏趙」(せいそしんえんかんぎちょう)
という”呪文”を覚えているぐらいで
あまり馴染みのない時代です。
アニメを見ながら興味が高じて、関連本を読んでみました。

1.【始皇帝の戦争と将軍たち】 朝日新聞出版 著者:鶴間和幸

映画で大沢たかおが演じた「王騎」はじめ、秦王(始皇帝)を支えた
将軍たちの史実上での話を専門家が紹介している新書。

「キングダム」はあくまで創作。王騎はじめ将軍たちもだいぶキャラが
膨らんでいます。だからこそ面白いのですが、これ、歴史の専門家が見たら
どう思うんだろう、という興味も沸くところです。
この本のあとがきにはその答えが書かれていて、大変肯定的だったのが印象的でした。
著者が作品のファンになった、とも。

私も創作&アニメならではの演出に
「こんな”無双ゲー”みたいに人が吹っ飛ぶわけないやろう」
「こんな”ぬののふく”1枚着た農民が、キラーアーマーみたいな兵士に勝てるわけないやろう」
などと思いながら楽しんでいます。

2.【始皇帝と春秋戦国時代】 PHP研究所 著者:セピア

もう1冊はこちら。
歴史の面白さの1つは「人の思いの繋がり」の表れであることだと思うのですが、
この本では「キングダム」の時代の1つ前「春秋時代」も詳しく説明されていて
当時の世相や空気がよく分かりました。
後世、なんやかんや言われる始皇帝ですが、その登場も必然だったのかと思わされます。
訳の分からないうちに戦に巻き込まれる一般市民はたまったものではありませんが・・・。
しかし、この始皇帝の「秦」の時代も彼の死後、短期間で滅亡。
「なんだかなあ」というのは現代人の感覚でしょうか。

さてこのようにSNSきっかけでアニメ・書籍と
自分の中で勝手にメディアミックスしている【キングダム】ですが、ひとつ引っ掛かる点が。

主人公は「信(しん)」という名前で、自分の名前も「しん(真治)」。
特に親からはずっとこう呼ばれてきました。

この主人公、ご存知の方もおられると思いますが
とにかく「ガンガンいこうぜ」気質で、一方で戦場では頼りになる男でもあり
仲間からやたら「シン!」「シン!」「シーン!」と呼ばれます。
画面の向こうからやたら自分の名前を呼ばれるのは、少し複雑な気分です。
時々「うるせえ」と思うのです。


 



 

 



コメント (0)
2025.10.3
今夏の9冊

私の体感では
9/22頃からようやく日中でも秋の気配を感じられるようになった京都です。

さすがにあの暑さでは、お外で本を読むどころの話ではありませんでしたが、
気候もええ塩梅になってきたのでまた再開しようかなと思っています。
ということで、この夏はエアコンで「冷え冷え」の室内で読書‥‥と言いたいところですが
実際には【National】のロゴが燦然と輝く10年落ちのエアコンによる

「冷え」

ぐらいの室内で読書していました。

 

1.ファラオの密室 白川尚史/宝島社

神様が隣に存在する大昔のエジプトを舞台にしたミステリー。
完全にオリジナルかと思ったら、実際の歴史を下敷きにしていて、
最後、この人ってあの人のことやったん!?とびっくり。

 

2.夜叉の都 伊藤潤/文藝春秋

鎌倉幕府における北条政子とその一族の活躍と暗躍を描いた愛執と妄執のドロドロした物語。
既視感を感じて記憶をたどってみると、行きついたのは
「ファンタジー世界の壮大な昼ドラ」こと、海外ドラマの「Game of Thrones」でした。

 

3.海の十字架 安部龍太郎/文藝春秋

地方大名や少しマイナーな戦国武将の物語。
こういう本は読み終わってからWEBで実際の人物像を確認するのが
自分なりの愉しみ方です。

 

4.一次元の挿し木 松下龍之介/宝島社

サイエンスミステリー?
「は?」というような展開が面白く一気読みして読了。

 

5.ラブカは静かに弓を持つ 安壇美緒/集英社

「ラブカ」は生きた化石とも呼ばれる深海ザメ。
深海好きなのでジャケ買いならぬタイトル買いをした一冊。
シン・ゴジラの第二形態のモデルにもなったとか。
深海ザメがどう話に結びつくのか、タイトル回収が面白かったです。

 

6.第三阿房列車 内田百閒/新潮社

書店の店頭で購入した本。
著者の本は大体読んでいますが見逃していた一冊。
店頭に行くとこういう思いがけない出会いがあるのが嬉しい。
列車旅の模様をつづった随筆の最終章。
地元、滋賀県大津市も登場していてなお嬉しい。

 

7.ハーメルンの誘拐魔 中山七里/KADOKAWA

医療×刑事シリーズの中の一冊
ドハマりではないけど、ハズれなく安心して読める自分の中では中堅の作家さん。

 

8.ヤクザの子 石井光太/新潮社

タイトル通りのルポ。親ガチャなんて言葉は好きではないですが、
さすがにこの人たちは使用が許されると思いました。
この本を読んでからなぜかショート動画にやたら「アウトレイジ」の切り抜きがあがってきます。

 

9.ボツ 鳥嶋和彦/小学館集英社プロダクション

月曜:ハットリくん、火曜:怪物くん、水曜:アラレちゃん、木曜:---、金曜:ドラえもん、
土曜の昼はルパン三世(時代はあやふや)、で育ってきた身です。
ちなみに木曜は「北斗の拳」の印象ですが、お家的に見せてくれませんでした。
こちらは鳥山明の伝説の担当編集:鳥嶋和彦へのインタビューをまとめた一冊。
勉強にもなったし、めっちゃんこ面白かったです。

コメント (0)
2025.07.4
気取ったおっさんのランチ読書(春~初夏編)

4月から始めた昼休憩中の読書、
すなわち「ランチブレイク・リーディング」
もしくは「気取ったおっさんのランチ読書」………
・・・いずれにしても細々と続いています。

1回20分程度で、「眠欲」に負けてサボる日もありますが、
意外に読める、という感想です。

1.カフカ断片集


前回ネタにした、F.カフカという作家の言葉集。
世の中一般のポジティブ思考へのアンチテーゼ的1冊。

2.猫を処方いたします。 1・2巻


「猫セラピー」をする奇妙な病院の話。笑えたり泣けたり。
動物飼うって大変やなあ、と。
個人的には舞台が京都のなじみのあるらへん、というのもポイントでした。
続編もあるのでまた読みます。

3.吉村昭の平家物語

Amazonで急に目に飛び込んできたタイトル。
ながーい平家物語の話が1冊にまとまっていて、しかも読みやすく、
多分20年ぶりぐらいにこの古典作品を楽しみました。
昔は「平家=悪者」みたいな感覚で読みましたが、
今読むと源平どっちもどっちで、結局どっちもとどのつまりは諸行無常。


4.春のこわいもの

「わたし、忘れたことないからね」って
感動的な言葉である一方、
シチュエーションによってはゾッとする言葉ですね。
人の内面のいやあなコワさが描かれた短編集。
お日さんの下で読む本ではないです・・・。


5.百鬼園随筆(ひゃっきえんずいひつ)

このふてぶてしい顔(笑)
「ヘンクツじじい」という言葉(誉め言葉)がぴったりな著者。
教師だったこの人が学生に向けて言った
「【忘れた】と【知らない】は全然違う、だからどんどん覚えて
どんどん忘れなさい」という言葉が好きです。
だから最近は読んだ本のタイトルすらまともに覚えません(覚えていません)。


6.ネリモノ広告大全 ちくわ編

何度も読んでいる中島らものエッセイ。
本来は「てっちゃん、てっちゃん カネてっちゃん~♪」という
CMソングが懐かしい(多分)関西では有名な蒲鉾屋さん「カネテツ」の企業広告。
愛と優しさと下品に満ち満ちた(だがそれがいい)一冊。


7.もものかんづめ

笑いをかみ殺しながら読んでいるうちに
昔、妹の「りぼん」に載っていたちびまる子ちゃんの
「ザリガニ天国・・・」というラスト1コマを読んで
従兄弟と一緒に死ぬほど笑ったのを思い出しました。
お婆さんになったこの人のエッセイを読みたかったなあ、と。


8.そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります

「春のこわいもの」が気に入ったので、著者のエッセイをチョイス。
文章が独特で読みにくく、意味不明なところ多数。
でも何となく共感も感じられて、じっくり読むというよりも
文章に流されていく感じが新鮮でした。


以上、3ヶ月で9冊。
いいペースじゃないでしょうか。
次回、猛暑を乗り越えて夏編は書けるのか・・・。

コメント (0)
2025.04.5
春の読書は屋外で。

こちら当社の展示場。
桜の木こそありませんが、冬場に比べて
だんだんと彩度があがってきたような気がします。

ずずっと進んでカーポートの下へ。

毎日15:30頃になると、缶コーヒーをすすりながら、
ボーっとするのが日課です(サボりではなく休憩ですっ)。
これが私の【Enjoy Garden Life】・・・侘しい。

 

3月下旬のある日。
その日は大変に暖かく、ふと、ここで読書すると大変気持ちが良いのではないか、
と考えました。

 

そこで、早速翌日の昼休みに決行。

お供に選んだのは自宅の積んだ読本の中にあった【カフカ断片集】(新潮文庫)。

作家・カフカが残したノートや作品から文章の一部を集めた本です。
【不条理を描く作家】と呼ばれるカフカの作品は「未完」「理不尽」「バッドエンド」が
キーワード(だと思っています)。

そんな作家が残した言葉は帯や表紙にあるように、非常にネガティブ。
「うつろでふみつぶされそう」「あらゆることにわたしは失敗する」等等。
でもそのネガティブさが魅力でもあります。

何となく共感出来たり、心に残るものがあったり、
あまりの悲観っぷりに1周回って笑えてきたり。
控えめに言って大好きな作家です。

この本はこんな具合に読みやすいのも大きなポイント。休憩時間に読むのはもってこいです。

ご飯を食べて仮眠するだけの昼休みに変化が起こったのも○。
言うてる間に猛暑の季節になると思いますが、
いい季節の内に、仕事の合間、しばしこういう時間も楽しみたいと思います。

などと思っていたら、
寒の戻りでジャンパーを着こんで、かじかむ手でページを捲る事になりました。
三寒四温とは、よく言ったもの。
・・・少しの間、寒中読書になりそうです。






コメント (0)
2025.01.5
没後20年【中島らもぼくがうまれたまち】展

例えば。
夜中にビジネスホテルにチェックインし、
夜食のカップヌードルを食べようとして箸がないことに気づいた時
どうすれば良いかに答えをくれたのが「中島らも」でした。



こういう時は洗面所から、「歯ブラシ(勿論未使用)を持ってくる」のが1つの正解です。
形状的に使えそうなのはブラシ側ですが、これはノーグッド。

実際やってみると、麺をひっかけるには良いものの、
ブラシから「衛生消毒」的な味が染み出し、
せっかくのシーフードヌードルが口の中で「歯磨き味」になってしまいます。

そのため、カップヌードルを歯ブラシで食べる時には、
カップの縁に口をつけ、柄の側で麺を掻き出すようにすするのがおすすめです。

・・・まあ、フロントに連絡すれば箸ぐらいもらえるでしょうが…。

 

という風に、約20年前の自分に「生きる術(すべ)」の一部を
教えてくれた「中島らも」も没後20年だそうです。
ちなみに中島らもがどんな人物か、ChatGPTに聞いてみるとこんな感じです。

 

”中島らも(1952-2004年)は、日本の作家・劇作家・エッセイスト・ミュージシャンです。
兵庫県尼崎生まれで、広告代理店勤務を経て執筆を開始。
代表作『今夜、すべてのバーで』ではアルコール依存症を描き、多くの読者に共感を呼びました。
また、劇団「中島らも事務所」を主宰し、舞台や音楽でも才能を発揮。
ユーモアを交えつつ人間の弱さや社会の矛盾を鋭く描く独自の作風で愛されています。
2004年に急逝しましたが、その影響は今なお広がっています。”

 

今回、いつもはコワーい業務連絡しか送ってこない
社内のSさんがどういう風の吹き回しか、タイトルのイベントを紹介してくれたので、
兵庫県尼崎市まで足を伸ばしてきました。
ちなみに常々思っているのですが、このSさんはらも氏と雰囲気が似ています。

途中でみかけた「尼崎城」

 

冒頭の「歯ブラシヌードル」の話は氏のエッセイの内容を
実践してみたものですが、氏とそこにからむ人々の
嘘みたいな本当の話には、当時めちゃくちゃ笑わされました。

そしてただ「おもろい」だけでなく、
「こんなんしてても生きられるんや」
肩の力が抜けてラクになるような、ホッとするような
不思議な空気感があるのも、氏の文章の特長のように思います。
当時、社会に出たばかりで不安いっぱいだったので
余計にそう感じたのかもしれません。

あれから20年以上経ち、【中島らも】をどの程度の人が
知っているのか分かりません。
ただ、こんな不安定だったり、生きづらさを感じる人が多いという時代に
氏の本が広がれば世の中も多少明るくなるんではないかな、
そんな風にも思います。

 
さて、JR尼崎駅と阪神尼崎駅を見事に勘違いして、40分ばかり歩いた事はさておき、
イベントはこじんまりとした会場でひっそりと開催されておりました。

入り口:一度気づかず通り過ぎました

中では見覚えのある本・直筆の原稿、写真、関連する新聞記事、
年表などが展示されており、束の間、ネット販売の無い時代に
まだ持っていない氏の本を探して滋賀・京都・大阪の書店を
ぐるぐる回ったあの頃を思い出しました。
特に直筆の原稿というのは、人柄が見えるようで面白いですね。
また晩年、不摂生がたたって目が見えなくなったらも氏の代わりに
口述筆記した奥さんとのエピソードが素敵でした。
基本的に無人で、来場者も自分以外には2組ほどと、
本当にささやかなイベントでしたが、とても良かったです。

 

興味の湧いた方は一度、氏の本をご覧になってみてください。
らも氏似のSさん、有難うございました。




コメント (0)
2024.10.4
七夕の国

およそ2年前、コロナに罹患したのがきっかけで映画だけでなく、
海外ドラマの動画配信を見るようになりました。

当時やっていたのが、何でもギネス記録も持っているとかいう
【ゲーム オブ スローンズ】というドラマです。
お話の内容を独断と偏見でまとめると

「北欧を想像させるダークなファンタジー世界で繰り広げられる
愛憎ドロドロの壮大な昼ドラ」

という感じでしたが、元々北欧もファンタジーも好きなのと、
自宅待機中の暇さ加減もあって、全8シーズン73話を一気見したのでした。

  

それ以来、面白そうなのがあるとちょくちょく見るようになったのですが、
先日YouTubeを見ていると、ディズニープラスで【七夕の国】実写化、
というCMが流れてきました。
残念ながらお財布加減もあり今のところアマプラ一本槍のため、
これを視聴する事は叶いませんが、原作【岩明均】というところに興味を持ちました。

というのも、大学時代に人生で初めて自分のお金で買った漫画が
氏の【寄生獣】という漫画だったからです。
個性的なキャラやグロ表現でも有名ですが、
個人的には全体のストーリーから話のオチの部分が特に好きな漫画です。

  

という事で実写を見ることはできませんが、
「せめて原作を読んでみよう」という事で、
漫画文庫になっている【七夕の国】をポチってみました。

 

好物の戦国時代から話が始まるのを意外に思いながらも個人的には◎。
しかしその後物語は現代となり、
なかなか強烈かつ変な(?)超能力による○人が起き、人外のものが登場し、
それらのいわくが戦国時代につながり… 物語はあれよあれよと進みます。
特に終盤の展開は「はえ~」と完全にあっけにとられました。
全3巻読んでの感想を一言で言うと
「(良い意味で)よくもまあこんな変な話を思いつくものだなあ」。
寄生獣にしてもこの七夕の国にしても、この作家の頭の中はどうなってるのか、
そっちの方が気になって妙に感心してしまいました。

そしてこんな奇想天外な話の実写化。
先述の通り少なくとも当分見ることはないのですが、
果たして成功したのかどうか、気になるところです。
どなたか視聴された方がおられれば、教えてください。

コメント (0)
2024.07.5
流行り

巷の流行りには基本的に乗らず、目新しいものにすぐに飛びつかないのが常です。

例えばスマホも世の中ではそろそろiPhone16の噂も出ているようですが、
いまだにiPhone8ユーザーです。だって使えるし。(でもそろそろ変えます)

 

本についても一緒で、
書店で「〇〇賞受賞!」「映画化・TV化」「ベストセラー!!」……
そんなPOPや帯がいくらついていても、本自体や作家自体に興味がない場合は
まず手に取りません。

しかしながら最近は書店の店頭も随分騒々しくなり、特に映画化とかTV化の暁には、
小さいディスプレイで映像化作品の切り取りCMを延々と流すような店も増えました。
だいたいがタレントの劇中のセリフを流すパターンですが、
なんか「さあ読め」「そら読め」「買って帰れ」と言われているようで、ゲンナリします。

また「あなたはラスト1ページで涙する」みたいな感情を強制しようとするキャッチコピー。
あれもいけません。最初にこのキャッチを思いついた人だけは許しますが、
最近は2番煎じが多すぎる気がするのです。
そして、そんなもんは人の勝手や”と思うのです。
”人の涙腺に口出しすな”、というところです。

 

苦境にある街の本屋さんがそれで儲かれば良いと言えば良いのですが、
本屋ではそういう売り手の攻勢に惑わされず、静かに宝探しをするようにして、
おもろそうな一冊に出会いたい、と思う今日この頃です。

 

そんなことで、「流行りモンには乗らない派」の私ですが、
個人的な流行りはあって、今は【吉村昭】という作家さんの作品をよく読みます。
昭和の作家でもう故人なのですが、記録文学の第一人者とも言われ、綿密な調査と取材による
リアルな作風が特徴です。個人的に好きな点はその【味わい深さ】
どの作品も読み始めるとページから目を離せなくなる、そんな人を引き込む力があり、
読了後も高い満足感を得られます。
題材は、戦争や脱獄、トンネル工事、獣害…と事実をベースにしたややい重めのものが
多いですが、じっくりと腰を落ち着けて読書にハマりたい、
あるいは「本を読んだ」という実感を
味わいたい方にぜひお勧めしたい作家です。

 

氏の作品は文庫本でもたくさんでているので、興味があればぜひ読んでみてください。
どれも事実に基づいたお話というのがこれまた凄いです。
個人的に特に印象に残った3冊がこちら。

 

■高熱隧道
峡谷にトンネル(隧道)を通すため、300人以上の犠牲者を出しながら最高165℃に達する
高温の岩盤を掘りぬいた技師と作業員のお話。凄絶すぎるプロジェクトX。

■破獄
投獄されたどんな刑務所からも脱獄してしまう受刑者と
それを阻止せんとする看守の戦いのお話。

■大本営が震えた日
太平洋戦争開戦の直前に裏側で起こっていた重大事件とは。
読んでいるこちらの胃が痛み、神経が磨り減るような
壮絶な駆け引きのお話です。

コメント (0)
2024.04.16
沢木耕太郎【旅のつばくろ】

昨年出た、氏の国内旅行にまつわる小話集。

 

沢木氏の足元にも及びませんが、かつて、気ままな国内旅行を楽しんでいた時期がありました。

といっても2~3年の間だけ、

それもまとまった休みの時限定、1泊2日が基本、という感じでした。

 

この旅には自前のルールがあり、

行先を決め、宿泊予約をするほかは何も予定を決めない、というのが1つ。

旅行中は、例えば目の前の歩行者信号の点滅が今まさに始まったとしても、

急がない・走らないというのが1つ。

要は、「予定を全部決めて、バタバタする」日常の逆を行こうという趣旨でした。

 

少ない機会の中でも一番足を運んだのが「東京」

その中でも、ある年末に東京駅から秋葉原を経由して、浅草まで徒歩で行った時のことが

一番印象に残っています。

師走でバタバタする浅草寺界隈を、一足早く冬休みに入った優越感に浸りながらブラブラ。

 

夕食まではまだ時間がだいぶあるし、さてどうしようか、と思っていたところ

ふと、浅草って演芸ホールがあるやん、と「浅草演芸ホール」の存在を思い出しました。

当時、落語を聞くのにハマっていた(CDですが)ものの、

なぜか本場の演芸場のことはスコーン、と忘れていたのです。

これは行っとかなあかん、でもどこにあるんやろと思い

ふと通りの向こうを見ると、なにやら幟(のぼり)が立ち並ぶ賑やかな一角が。

まさか、ひょっとして、と思うと、つい今存在を思い出したばかりの

「浅草演芸ホール」が、まるで求めに応じて出現したかのように、すぐそこに。

 

一瞬、見間違いかとも思いましたが、スーっと吸い込まれるように入ってそこから数時間。

落語はじめ「演芸」をしっかり楽しみました。

もちろん、予め予定に組み込んで訪れても楽しめたと思いますが、

思いがけず体験できた、という事で記憶も楽しさもマシマシされたように思います。

予定のない旅の良さ、といったところでしょうか。

 

さて、沢木耕太郎「旅のつばくろ」

国内旅のエッセイは初めて、とのことで、それだけでも興味をそそられました。

「深夜特急」で有名な氏は、国内旅行でも某ダーツの旅的な旅行がお好きなようです。

行先は青森、長野、石川、北海道、あるいは地元・東京など。

観光地を巡るような旅ではなく、本当に自分の思いついたまま、気の向くままに旅をする

氏の話を読んでいると、いつかのささやかな旅行を思い出して、

またふらっとどこかへ行きたくなりました。

 

 

 

 

 

コメント (0)
2024.01.5
【ゴジラ-1.0】

先日、話題の映画【ゴジラ-1.0(マイナス1.0)】を観てきました。

日本だけでなく、アメリカほか海外でも大好評らしいですね。
「これが映画という娯楽」「ハリウッドは見習え」「すごい映画」…
YouTubeなんかでも山ほど映画評が出ていますが、小さい頃から慣れ親しんできた
コンテンツがこんな風に世界で評価されているのを見ると、嬉しいものですね。

 

個人的な「ゴジラ体験」を振り返ると、
映画館で観たのは1984年以来、39年ぶり(!)でした。
以後、意識的に追っかけてきたわけでも無いですが、
前は深夜の映画放送やDVDで、
最近では配信サービスなんかで割と観てきた方ではないかと思います。

 

そんな風にガチガチのファンではないけれども、
それなりに「ゴジラ」を楽しんできた人間の-1.0の感想ですが、
いやー、映画館に行くだけの価値はありましたね。
評論家ではないので、単に面白いものは面白い、としか言えませんが、
控えめに言ってもとても良かったです。

 

とりわけ、ゴジラで泣かされたのは初めての体験でした。
あえて事前情報はほぼ0で行ったのですが、
単に「怪獣が出てきて、どったんばったん大騒ぎ」ではなく
シンプルながらも人間ドラマがあり、ラストは勿論のこと、
途中でも3回は泣かされました。
歳をくって涙腺が緩んでいることを差し引いても、
それだけ引き付けられる物語だったということなんでしょう。

 

さらに良かった点を挙げるなら、ゴジラの咆哮の迫力でしょうか。
映像ももちろん大迫力で、何度も“カタルシス”を感じましたが、
あの音響も映画館ならではですね。
咆哮のたびに映画館の空気がビリビリと震え、鳥肌が立ちました。
家で同じ体験をしようと思ったら
近隣クレームを覚悟でボリュームをMAXにするか、
耳を壊す覚悟でヘッドホンをするか…
そういう点でも映画館で観て良かったと思います。

 

今年はモノクロバージョンの上映もあるそうなので、
まだご覧になってない方はぜひ映画館で観てみてください。
私ももう一度観に行こうかなあと考えています。
そしてさらに、小説版もあるようなので、
そちらでも【ゴジラ-1.0】の世界を味わってみたいと思います。

 

コメント (0)
このページの先頭に戻る