はんなり便り
2024.07.5
流行り

巷の流行りには基本的に乗らず、目新しいものにすぐに飛びつかないのが常です。

例えばスマホも世の中ではそろそろiPhone16の噂も出ているようですが、
いまだにiPhone8ユーザーです。だって使えるし。(でもそろそろ変えます)

 

本についても一緒で、
書店で「〇〇賞受賞!」「映画化・TV化」「ベストセラー!!」……
そんなPOPや帯がいくらついていても、本自体や作家自体に興味がない場合は
まず手に取りません。

しかしながら最近は書店の店頭も随分騒々しくなり、特に映画化とかTV化の暁には、
小さいディスプレイで映像化作品の切り取りCMを延々と流すような店も増えました。
だいたいがタレントの劇中のセリフを流すパターンですが、
なんか「さあ読め」「そら読め」「買って帰れ」と言われているようで、ゲンナリします。

また「あなたはラスト1ページで涙する」みたいな感情を強制しようとするキャッチコピー。
あれもいけません。最初にこのキャッチを思いついた人だけは許しますが、
最近は2番煎じが多すぎる気がするのです。
そして、そんなもんは人の勝手や”と思うのです。
”人の涙腺に口出しすな”、というところです。

 

苦境にある街の本屋さんがそれで儲かれば良いと言えば良いのですが、
本屋ではそういう売り手の攻勢に惑わされず、静かに宝探しをするようにして、
おもろそうな一冊に出会いたい、と思う今日この頃です。

 

そんなことで、「流行りモンには乗らない派」の私ですが、
個人的な流行りはあって、今は【吉村昭】という作家さんの作品をよく読みます。
昭和の作家でもう故人なのですが、記録文学の第一人者とも言われ、綿密な調査と取材による
リアルな作風が特徴です。個人的に好きな点はその【味わい深さ】
どの作品も読み始めるとページから目を離せなくなる、そんな人を引き込む力があり、
読了後も高い満足感を得られます。
題材は、戦争や脱獄、トンネル工事、獣害…と事実をベースにしたややい重めのものが
多いですが、じっくりと腰を落ち着けて読書にハマりたい、
あるいは「本を読んだ」という実感を
味わいたい方にぜひお勧めしたい作家です。

 

氏の作品は文庫本でもたくさんでているので、興味があればぜひ読んでみてください。
どれも事実に基づいたお話というのがこれまた凄いです。
個人的に特に印象に残った3冊がこちら。

 

■高熱隧道
峡谷にトンネル(隧道)を通すため、300人以上の犠牲者を出しながら最高165℃に達する
高温の岩盤を掘りぬいた技師と作業員のお話。凄絶すぎるプロジェクトX。

■破獄
投獄されたどんな刑務所からも脱獄してしまう受刑者と
それを阻止せんとする看守の戦いのお話。

■大本営が震えた日
太平洋戦争開戦の直前に裏側で起こっていた重大事件とは。
読んでいるこちらの胃が痛み、神経が磨り減るような
壮絶な駆け引きのお話です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

3 × 1 =

このページの先頭に戻る